活動報告

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ボランティア説明会「赤十字事業と国際活動について」が開催されました

2018年12月10日に大阪府立大学羽曳野キャンパスにて、日本赤十字社大阪府支部 青少年・ボランティア課 職員2名を講師としてお招きし、日本赤十字社に対する理解を深めることを目的とした説明会を開催、学生7名が参加しました。

皆さんは日本赤十字社の活動に触れたことがおありでしょうか。ボランティア活動や献血活動、救急法の講習会、被災地の復興支援、赤十字病院などなど、関わったことがある方、もしくはその活動を見聞きした方も多いかと思います。

 

日本赤十字社は、災害や紛争、病気などに苦しむ人々を救うため世界最大のネットワークを活かして、緊急時の救援や、復興支援、予防活動に取り組んでいます。今回はその多様な活動の中から、平常時に日本赤十字社が行っている活動やボランティアの支援、国内における災害救護と、職員の経験してきた各国の国際活動(難民支援や災害救護)について、お話ししていただきました。

日本赤十字社の活動は主に医療、衛生を主軸にした9つの事業を展開しており、その中の一つに国内の災害救護があります。日本にいる私たちにとって医療や衛生はごく身近にあるものです。病院や薬局など施設はもちろんのこと、健康診断や予防接種などの機会も比較的充実しています。その一方で、手の届く範囲にあるがゆえに私たちは医療や衛生を軽視してしまっているのかもしれません。けれどその当たり前が一転してしまうことは大いにありえることであり、その一つに震災があります。被災後の混乱の中、集まった大勢のボランティアの適切な人員配置や支援物資の管理も日本赤十字社の役割です。記憶に新しい大阪府北部地震の際も多くのボランティアの方が自分の力を発揮し、支援、対処にあたられました。

国際活動もまた日本赤十字社の展開する事業の一つです。今回のお話にあがったシリアの内戦やロヒンギャ難民、ハイチ島の被災など、現状を生き抜くことが精一杯の状況下において、医療や衛生は非常に疎かにされがちです。実際先に述べた例では下水と上水の混在により浄水が手に入らず、感染症が広まる原因にもなっています。

対象の方を想って送られる支援物資を最大限に効率よく活用するにも、対象の方やボランティアの方の安全と健康を保ち、困難な状況を生き抜いた命を感染症で亡くしてしまうような状況の改善にも、非常に重要になるのが衛生と医療であり、その提供を日本赤十字社は国境を超えて積極的に行っています。

 

日本赤十字社は「人道」をもっとも基礎的な理念としています。「人道」とは、「人間の命は尊重されるべきであり苦しんでいるものは敵味方の区別なく救われなくてはならない」という信念のことです。文字で書くと難しいことのように思えますが、この信念は誰かへの思いやりという形で多くの方が持っている気持ちだと思います。けれどその気持ちをむける対象が限定的になってしまうのには、少なからず「自分達とは状況が違う」「自分達には関係ない」という無関心さ、そしてその先にある無知が影響していると言えます。今回私たちは実際に現地を見て歩いた職員の方のお話をきいて、現状を知り、考えることを通じ、ぐっと身近に国際的な医療支援や被災地における支援をとらえることができました。この文章を読んでいる方にも日本赤十字社が行っている活動やその内容についてほんのすこしでも興味を持っていただければ嬉しいです。

 

地域保健学域 総合リハビリテーション学類 作業療法学専攻

藤川奈々美