活動報告

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堺の新たなお土産品 開発事業に協力しました

堺では、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を目指していて、登録されれば世界中から観光客が増えると予想されています。そこで、お土産商品の開発や販路開拓を通じて小規模事業者(個店等)の経営基盤の強化を促進するとともに、魅力向上を図ることを目的として、堺市からの委託を受けて堺商工会議所が「堺の新たなお土産品」開発事業を実施しています。

平成30年度の採択事業者である「エッチング工房Shine-輝-」は、メッセージやオリジナルデザインの彫刻やプリント、記念品などの製作販売をされています。お土産品を考えるにあたり、「学生の意見を取り入れたい」「この商品開発を通じて古墳や堺の歴史に触れてもらう良い機会になるのでは」との思いで大阪府立大学ボランティア・市民活動センターV-stationにお声かけいただき、学生4名が事業に協力する運びとなりました。

最初の会議は、2018年10月に行いました。学生がこの事業に関わりたいと思ったきっかけはそれぞれで、例えば絵を描いたり、デザインを考えたりするのが好きだったり、堺の歴史を学びたいといったことでした。第1回目から3回目までは、キーホルダーの形やデザインを各自考えてきて、会議ではそれぞれのいいところを取り入れながら、1つの形・デザインにまとめていきました。また、キーホルダーに印刷する漢字や熟語も考えました。お土産品のコンセプトは「恋が叶うペアキーホルダー」で、恋を叶えたい若い人たちが仁徳天皇陵に集まり、堺が人で賑わうようになればとのことだったので、それも意識しつつ話し合いを重ねました。4回目、5回目になってくると、実際に出た案に沿って実物を作ってもらい、再現性や実用性、コスト面など、具体的な内容になりました。キーホルダーがある程度形になってきたら、次は商品のネーミングや売り方、パッケージなどの話し合いです。この段階でグラフィックデザイン会社の方なども加わってより商品化に向けた話し合いになってきました。キーホルダーのパッケージはシンプルで高級感があった方が良いのではという学生の意見をもとに、デザインを決めていきました。

最後にキーホルダーの紐の色の組み合わせを考えました。これは、印刷された漢字やその熟語の意味を考慮しながら、みんなで意見を出し合いました。紐の色が変わるだけでもこんなに印象が違うということに、みんなで驚くとともに、キーホルダーの重要な部分であることを改めて感じました。

こうして完成したものが「ペアー木ーホルダー『KOFUN KOFUN』」です。2つのキーホルダーを合わせると古墳の形になります。特に、裏面に彫刻している堺をイメージした百舌鳥の鳥・つつじの花の絵は、学生がデザインしたものです。また、素材には堺市の友好都市である東吉野村の吉野杉が使われていて、高級な木の香りやぬくもりを感じられるようになっています。

会議で出し合った意見を1つにまとめることは難しかったのですが、自分にはなかった発想があったりと、会議はとても盛り上がりました。また、社会人の方々からたくさんのアドバイスをもらい、内容の詰まった話し合いをできて、貴重な経験になりました。そして、商品開発はその商品のデザインや形だけでなく、ネーミング、パッケージデザイン、対象とする人や時期、売り方、見せ方といった、様々な人たちと協力して完成させていく、とても奥が深いものだなと思いました。

私は、堺にある大阪府立大学に通い、堺でのボランティア活動に多く参加してきましたが、堺の歴史や大仙古墳についてはあまり知る機会がなかったので、今回の取り組みは良いきっかけになりました。この度、大仙古墳が世界文化遺産登録に一歩近づいたという吉報を聞き、堺がより人で賑わうことが期待されるので、とても嬉しく思います。さらに、外国人観光客が増えることで、『KOFUN KOFUN』の人気もいっそう出ることを期待しています!

 

生命環境科学域 応用生命科学類 政田ありさ

 

参考リンク:堺商工会議所「堺の新たなお土産」

 

 

打ち合わせの様子

デザイン案

 

完成

発売中