活動報告

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ME/CFS世界啓発デー2019in大阪が開催されました

2019年5月12日(日)に、「ME/CFS世界啓発デー in 大阪 大阪城天守閣ブルーライトアップ」が大阪城天守閣にて行われました。この催しはME(筋痛性脳脊髄炎)/CFS(慢性疲労症候群)という病気の医療啓発イベントで、大阪では初開催となりました。本学のボランティア・市民活動センターV-station(以下、V-station)は協力団体として関わり、V-stationからは6名が参加しました。

ME(筋痛性脳脊髄炎)/CFS(慢性疲労症候群)とは、これまで健康に生活していた人がある日突然原因不明の激しい倦怠感に襲われ、それ以降強度の疲労感と共に、微熱・頭痛・筋肉痛・脱力感・思考力の障害・抑うつ等の精神神経症状などが長期に渡って続き、健全な社会生活が送れなくなるという病気です。1988年に米国疾病対策センター(CDC)よりME/CFSの報告が行われて以降、アメリカだけでなくカナダ・イギリス・ドイツ・スウェーデン・オーストラリアなど世界中の国々でME/CFS症例の存在が報告されています。その病因・病態の解明や、診断・治療法の開発が進められていますが、今なお特効薬がありません。

ME/CFSにより50年床に伏したと言われるフローレンス・ナイチンゲールの誕生日(5/12)にちなみ、この日を「ME/CFS世界啓発デー」として世界各地のランドマークをブルーライトアップ(ME/CFS啓発カラーが青のため)するというイベントが行われており、今年初めて大阪城をブルーライトアップしました。同日は、線維筋痛症(啓発カラー:紫)と化学物質過敏症(啓発カラー:緑)の啓発デーにもなっています。

V-stationは、本イベント主催のME/CFS世界啓発デー大阪実行委員会の方々と共に、準備段階から関わってきました。当日の活動内容としては、点灯開始までに大阪城天守閣周辺にある投光器に青色フィルターを設置し、点灯終了後フィルターを回収するというものでした。

今回のライトアップ開催が決定したのが先月で、V-stationに連絡が来たのが約2週間前という状況の中、直前まで本当に開催できるのかとても不安でした。当日までに何とか全ての準備を整え、無事にライトアップできた時は喜びと安堵の思いでいっぱいでした。青色に輝く大阪城天守閣は、その時の気持ちも相まってより一層綺麗に見えました。

 

このイベントを通して、V-stationとしても色々な出会いがありました。たくさんの人に連絡を取り合っているなかで、学習会や友好祭で毎年お世話になっている大阪難病連の方や、大阪市立大学医学部附属病院疲労クリニカルセンターのスタッフの方々。また、府大の卒業生の方にも出会うことができました。これらのご縁は、今後とも大事にしていきたいです。

ME/CFSは難病にも指定されておらず、診断・治療ができる医療機関は全国でまだ数えるほどで、医療・福祉の体制が整っていません。病名からただの疲労と誤解されたり、適切な治療や支援に辿りつけず、患者は二重・三重に苦しんでいます。世界啓発デーのブルーライトアップを通して病気の周知をはかり、孤独に闘病する世界中の患者に少しでも希望の光を届けられるよう、今後とも引き続き開催できるようにしていきたいと思います。

 

工学域 機械系学類 木下通理

参考リンク:

ME/CFS世界啓発デー2019 in 大阪の開催に本センターが協力します