活動報告

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静岡県での図上訓練に参加しました

2019年2月23日(土)~24日(日)の2日間にわたって、静岡県の常葉大学草薙キャンパスにて開催された「静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練」(以下、図上訓練)に参加しました。この図上訓練は今年で第14回目をむかえ、大阪府立大学ボランティア・市民活動センターV-station(以下V-station)としては、2012年より8回連続で参加しています。この訓練では、図上訓練のワーク参加者を「プレイヤー」、訓練の見学やセミナーを通し訓練の狙いや考え方を学ぶ参加者を「ビジター」と呼びます。「プレイヤー」の数は1団体あたりで上限があり、静岡県内からは3名、県外からは2名となっています。V-stationからは「プレイヤー」が2名参加しました。

 

この図上訓練は、消防や警察などで行われている、緊急事態が起きた時にマニュアル通りに適切に対処できるように訓練する「シミュレーション型図上訓練」ではありません。この訓練では、緊急事態(ここでは静岡県全域に被害がおよぶ東海地震といった広域災害を想定)が起きた時に、静岡県外の支援団体はどのような支援を展開できるのか、逆に県外からの支援を受け入れる県内の団体(主に社会福祉協議会)は支援を受けながら直面する課題を如何に対処していくのか(「受援」と言います)といった議論を、ワークショップの中で対話しながら進めていく訓練です。非常に頭を使うので、「頭」上訓練とも言われています。こういう風に「受援」を意識しながら、県内の団体と県外の団体が被災者・被災地支援のために、市域・県域・県外との「つながり」を意識した支援体制を作っていくこと、次のアクションにつなげられるようになることを目的としています。

 

「つながり」ということに注目すると、大阪府立大学は2012年の図上訓練の時より静岡県榛原郡川根本町の社会福祉協議会と交流を持っています。毎年図上訓練の時には顔を合わせ、また不定期に相互訪問を重ねていたり、何かあった時に気にかけ合うことで「つながり」を維持しています。今回の図上訓練で僕は初めて川根本町の方とお会いしたのですが、「つながり」を継続し続けている府大の先輩方に、初めてお会いする僕たちを紹介していただけたり、川根本町の方も新しく入った職員さんを紹介してくださったりしました。このように「つながり」は次の世代へ受け継がれていくのだなと思いました。

 

今年の図上訓練は、『「多様」な事例を学び「次のアクション」を起こす』ことを目標に、実際に被災地となった地域(熊本県嘉島町・宮城県仙台市・茨城県常総市)から、被災当時に「多様」な支援の受け入れやお困りごとに対応していた方々をお招きし、災害発生時の「多様」な状況を学びました。その上で、災害発生時の「多様」な困りごとや被災者像、支援にはどんなものがあるかなどを6人程度の小グループで議論しながら出していきました。2日目はその「多様」な事柄に対処するために自分たちはどのような「アクション」を起こせるのだろうかを、それぞれの立場(学生・NPO・行政など)から考えていきました。そうしていく中で、「私たちはこれできるよ」「僕らのところはその支援をしてくれる人たちを探していたんだ」という風に「つながり」ができていった時もありました。

また、1日目の最後には交流会が用意されており、いろんな職業の大人の方と交流することはもちろん、この図上訓練に参加していた多くの大学生とも交流をすることができました。

 

今回の図上訓練には、北は北海道から南は大分まで、全国各地から数多くの団体・個人が参加していました。現在も被災地支援活動を展開している人がいたり、これから被災地支援活動を行おうと考えている人もいました。図上訓練の中で聞いたそういった話は、まさに「多様」でした。V-station災害チームのいまの活動を紹介すると、ものすごく興味を持ってくださった方もいましたし、助言をくださった方もいました。ここで学んだことを大阪で活かしていきたいと思っています。そして何よりも、防災・減災活動や被災地支援活動を展開する全国各地の大学生と交流できたことは、僕らが大阪の地でこういう活動を行なっていくにあたって大きな刺激になりました。本当に参加してよかったです。

 

 

工学域 機械系学類 陳代修平